音楽劇の作り方② ~作業工程と役割分担~
ブログ書き2日目。昨日の記事をチームメンバーに見せたら褒められた。嬉しい。褒められれば誰だって嬉しいに決まってる。
↑TravelersのグループLINE 勝手に載せた。
さて今日からは暫くの間、どのような手順で制作していったかを反省とともにまとめていこうと思う。
私の能力不足・経験不足もあり、うまくことが運ばなかったことの方が多いだろうが、赤裸々に書き綴っていこうと思う。
劇制作の大まかな作業工程
先に流れをざっくりとまとめる。
- 大まかなスケジュール作成
- テーマ・伝えたいことの決定
- シナリオ(あらすじ)づくり
- 音楽計画
- 音楽制作/あらすじの仮決定・セリフ決め
- 音楽が完成した箇所の振付け
- 映像作成
- 衣装決め・裏方の動き決め
- 通し稽古
- セットの動かし方・照明案・PA等を決定→Qシート作成
- 本番
実際には項目が前後していたり、同時進行で作成していたりするが、大きな流れとしてはこれで間違いないだろう。
4.の音楽計画は、「この場面で主人公が歌う」「この場面は音楽に合わせて踊る」など1つ1つのシーンに分け、誰が何をし、どのようなイメージなのか?を考えまとめたものである。
また、8.の裏方の動き決めとあるが、ここでの裏方はメインキャスト(=主人公と泉の精)のサポーターとして、劇中にセットを動かしたり、舞台上でメインキャストが外した小物を回収したりする役である。登場人物が2人という構成上裏方が舞台に出る際に振付を伴ったため、「裏方の動き決め」と書き表すことにした。
役割分担
今回はTravelersのメンバーを幾つかの役割分担をし、それぞれ制作に関わった。
大きく分けると3つの動体があった。
・脚本制作チーム
→主な役割は、シナリオを考え文字に起こすこと。また、劇中歌の歌詞を考えること。4人全員が関わっている部分でもあるが、主に担当したのは私とマヤである。(故にこの劇の根底には私とマヤの心の底にある言わば叫びのようなものが含まれている。)演出に関わることもあった。
・作曲チーム
→読んで字のごとく、役割は作曲である。担当は私と城谷さん。共作であるので、2人でピアノに向き合い相談しながら書いていた。ピアノスケッチの段階でオーケストレーションをすることもあれば、オーケストレーションはエレクトーンアレンジする時にすることもあった。(シナリオが変更すると、深い深いため息をついていたのはここだけの話)
・演出・振付・演技チーム
→こちらは演者の2人、マヤとヒナが担当しており、脚本制作チームと重複している部分もあるものの、より細かい設定やセリフなどを考案し実際に演技をした。また振付けや舞台セットは全て彼女たちにより作られ、脚本制作チームが骨組みを作る役割だとしたら、こちらは肉付けの役割といえるだろう。
作業工程① 大まかなスケジュール作成
この劇の企画は2018年12月から始まったが、最初のミーティングで細かなことを話し合う前に、大まかなスケジュールを先に確認した。
私たちは学生であり、それぞれ学業が忙しく外部で活躍する人も少なくないため、翌年11月の芸祭に間に合わないことを危惧し、先にスケジュール作成をした。
反省点
この工程には、それぞれの考え方の相違があったため、結果的に全くこのスケジュール通りには進まなかった。
理由としては、
- 男子2人(私と城谷さん)は翌年1年の大体の予定が見えていたのに対し、女子2人(マヤとヒナ)はその月にならないとスケジュールが確定しないこと。
- 個人のスケジュールの優先度の違い。
- 制作における先行工程の認識の違い。「音楽制作→セリフ・振付け」or「セリフ・振付け→音楽制作」
などが挙げられる。
正直全て予想だにしておらず、私も舞台作品に関わるのは初めてだったのもあり、認識を新たにすることが多かった。
特に、作曲チームが音楽を先に作りセリフや振りを考えるという認識を持っておらず、初期段階ではセリフ等が出来上がるのを待っていたのも遅延の理由の一つだろう。
しかしながら、このスケジュールが基準となり遅れているという判断が容易にできたため、意味がなかったということはない。寧ろ、進まなくても最初に設定しておいて正解だったと、今になって思う。
スケジュールと実際の進捗
↑話し合いで最初に決めたスケジュール
実際は、、
「ストーリーの大枠を固める」・・・18年12月まで→19年4~5月
「台本と作曲をあらかた完成させる」・・・19年4月まで→19年7~8月
「大詰め」・・・8月ごろ→10月
(お恥ずかしながら先述した遅延理由以外にも作曲が上手く進まなかったのもある。)
作業工程② テーマ・伝えたいことの決定
この工程は結果的に劇の軸を作るのに大変役立った。実際どのようなことを話したか挙げていく。
この工程は2018年12月から翌年19年1月ごろにかけて行われた。
コンセプト
- 音楽はクラシックを主眼に作曲。
- ストーリーが存在する舞台。
- 観客に伝わるように表現する。
- 演劇・踊り・音響・映像・音楽など、色々な要素を組み合わせ空間を作る。
- 役者と奏者が対等な関係を持つ舞台芸術を創作する。
- エレクトーンの知られざる可能性の探求。
- エレクトーンを使った新たな音楽の形の探求。
(第2・3項目の「ストーリーが存在する舞台」というのは、今日のコンテンポラリーな舞台作品にはストーリーのような軸が存在しないものもあるため、このような決定がなされた。)
この決定は劇を創作していく上での目標であり、言い換えれば、自分たちが挑戦をしたかったことだ。このコンセプトを基に台本の基盤が作られた。
テーマ・伝えたい事
これについても沢山の意見が出たが、まず初めに決まったのは、「20歳の自分達に伝えたいこと」というテーマだ。これは創作開始時から今まで1度も変わることなく、貫き通している。
これは「1度しかない20歳の年に、今しかできない表現で、私たちにしかできない劇を作ろう」という願望からできたテーマだ。
私はマヤの過去の経験は殆ど知らないが、恐らく彼女にとっても私にとっても、今まで生きてきた20年間で、痛感していた教訓なのではなかろうか?
その後、伝えたいことって何だろう?と、いくつかアイデアが出た。
- 愛とは?
- 日常の幸せさ
- 戦争
- 純粋さ(不純さとの対比)
このうち、一瞬で消されたのは「愛とは?」と「戦争」だった。理由は当時のメモを見れば一目瞭然だ。
「愛とは?」・・・危険なにおいが....経験ナインゴ
「戦争」・・・戦争経験してないからうわべになりそう
よって、「日常の幸せさ」と「純粋さ」を主軸にストーリを考案していくことになる。
反省点
この工程においては良かった点が9.9割を占める。
- それぞれが思っていること、挑戦したいことをお互いにぶちまけられた。
- お互いの事を知るきっかけにもなった。
- 軸がはっきりしたことで、今後の作業ーセリフや歌詞づくりにまで影響し、うまい具合に進めることが出来た。
また、私のスタイルとして、話し合いの最中に机の中央に1枚白紙のメモを用意して、思ったことは全て書けるようにするというものがある。
半分落書きになるのだが、そこからヒントを得られることも少なくなく、これは是非お勧めしていきたい。
↑当時の話し合いの時に使われたメモ(五線紙)訳の分からない和声記号や漢字も書かれている。
残り0.1割の悪かった点だが、すぐに雑談をしてしまった点にある。これはもはや心の持ちようであるので、進め方の反省に入るのかどうかさえ分からない。
そして、この悪い癖がストーリー作りの決め手になるとはこの時誰も予想できなかったのだ...
しっかり伏線を張ったところで、今回はここまで。
次回は、台本作り(伏線回収)から始めようと思う。