編集後記
ブログ4日目。であるが、今日はやる気が出ず一日だらだらしていた。ブログもめんどくさいなぁと思っていたが、ここでやめたら真の三日坊主になってしまう。流石にそれは憚られるので、軽めの裏話のようなものを書くことにした。
3日間ブログを書いて。
文章を書くのは好きなのだが、創作をしていた頃のたくさんの資料と記憶を照らし合わせながら、文字にまとめていくというのは思っていたよりも難しい作業だった。
また、客観的に劇を見ていない人にも伝わるように書くのも、普段書く日記や作文とはまた違い難易度が高く感じた。
このブログは、創作の流れを再度なぞりながら反省するためという自分のために始めた。実際、文字にまとめていると無駄だったように思っていた作業も、意味のあるものであったと再確認することも多い。しかし、こうして発信することで自分はこんな活動をしているんですと知ってもらいたいという気持ちもある。
私の周りは能力の高い方々がとても多く、きっとそういう人たちからしたら私の活動などどうって事ないことなのであろうと思いながら、それでもやらなきゃ意味がないと勇気を出して行動した。実際はわからないけど。
創作のヒント
創作をする上で、考え方などを参考にしていたクリエイターがいた。ジャンルも表現方法も全く違うのだが、心構えから始まりシナリオの構成についての細かい部分まで、教訓にしていた。
Stellarisというストラテジーゲームを基に独自のストーリーを練り上げ、超大作のオリジナルストーリーをYoutube上で公開している。クリエイターの名は「馬刺しの人」。今回の私の創作でも大変大きな影響を受けた作品と言える。是非ご覧いただきたい。
その他にも、ネット上で活躍なさっているイラストレーターやマンガ家の方々の創作物にも多く触れたように思う。勿論、作曲する上で色々な曲を分析し勉強したが、それ以外の芸術にも多く触れることが出来てとても刺激になった。
また、共作するにあたり「マクドナルド理論」と呼ばれている方法を多用した。
0から生み出す時に、最低限度の具体案を出しそこから発展させていくという方法だ。
例えば曲であれば、大雑把に考えた歌詞にイメージで作ったメロディーを付けて、ざっくりとしたアイデアとしてチームで共有する。そこから生まれる違和感を元にどんどん修正していき最終的に完成に持っていくという方法だ。
なぜマクドナルドと呼ばれるかというと、夕飯を何がいいと聞いて「なんでもいい」と返事された時に、「じゃぁマックでいい?」と最低の提案をすると「いや、だったらハンバーグがいい」といったようにそれ以上の答えが返ってくる、、というライフハックから生まれたからだそうだ。なんにせよ人間の心理を上手く使った技術だろう。
まとめ
やはり、今日は文章にもまとめる力もいまいちハリがない。言いたい事はあるのだが上手い事まとめられる表現が見つからないので、なんだかクオリティの低いものが出来上がった。。許してつかぁさい
今日は脇道にそれてしまったが、また明日からもとに戻る予定だ。
では。
音楽劇の作り方③ ~シナリオ作り~
ブログ3日目。2日目になって1日目よりも多くの方に読んでいただき、反響もあり、自分のためと思って始めたとはいえ、とても嬉しく思う。読んでくださっている方々、本当にありがとうございます。
さて今日はシナリオ作りを追っていくのだが、シナリオ作りから作業は難航し、資料も膨大になる。そのため実際に起こったことを全て書き起こせていないことがあるかもしれない。
↑仕込み中の国立音楽大学6-110スタジオ。なお今回の記事とは全く関係がない。
作業工程③ シナリオ(あらすじ)作り
2018年12月中旬辺りから、シナリオ作りが始まった。数えきれない程の没案が生み出され、今となってはそのメモすら何を意味しているのかさえ分からないものも数多く存在する。
その没案の幾つかを紹介しよう。
メモやノートを始め、LINEのトーク履歴からも拾っているので、文体に差があるがご了承いただきたい。
案①
人間がAIを作り出した。
その機械は人のように心を持ち、まるで本当の人間かのように、家族のように一緒に過ごしていた。
しかし、次第にAiは成長し人間の知能を超え始めた。人を襲うようになった。
人間は、家族のように過ごした機械を壊すのか、それとも。
(う~ん。ありがち。面白いけど自分たちに共感できないね...)
案②
子供の頃は純粋無垢で、どんなに小さな事でも幸せを感じていたけど、色んな感情を知り、色んな事を経験して大人になるにつれ、昔のように純粋に小さなこと一つ一つに幸せを感じることが難しくなった。子供の頃の純粋な記憶を忘れてしまった。
夢の中の森に放り出され探検するうちに、大人になり色んな感情を知って、昔には感じられなかった幸せを感じられるようになったことに気づく。少しづつ1番大切な「何か」を思い出していくのだった。
現実世界に戻った主人公は、自らの起源を思い出し、目標に向かって歩き出すー。
案③
幼なじみがいて小さいころは凄く仲良くて、一緒に色んな本を読んでいたりしたけれど、最近なんとなく距離感を感じてて、モヤモヤしている…みたいな。
案④
主人公には上手くいかないことがある。ある日、ふと小さい頃に読んだ本を思い出す。しかし、続きのストーリーを思い出せない(希望が見えないこと、将来への不安の暗喩)。。
そんな主人公はある晩に夢を見る。夢の中でその本の主人公になってストーリーを進めていくが、途中までしか分からない。そうして途中から自ら物語を作りながら夢の中で生きていると、遂には幸せを掴むことができた。めでたしめでたし。
そこで夢から醒める。「私にも幸せになれる力を持っている!」と希望を感じる。
(本の中の役と夢の中の役を同一人物にする。性格やキャラは同じで、特徴をそろえる。)
↑案④のメモ。文章では書かなかったが、目が覚めた後のシーンは意見が分かれ、分岐させていた。
案⑤
主人公は17歳の女の子。言いたいことが素直に伝えられず、でも本当は伝えたい。少し内向的な子。
Aさんとの距離感になんとなく「もどかしさ」を感じている。(昔のように素直に接することができない)
昔読んだ本の内容を思い出すが、途中から思い出せない。悩んでいるうちに寝てしまうのであった。
まるでファンタジーのような彼女の夢の中で、Aさんと彼女が協力しあい助け合い、距離感が縮まる。そして「歩み寄っていいんだ。素直になっても大丈夫なんだ」と気づくのだ。
その後、夢が覚めて...
↑案⑤のメモ。この案はAさんが母親説と友達説があった。 ところでノートの上の大括弧の落書きはなんだ...
この他にもいくつかアイデアが出たが、メンバーの反応が微妙だったものは省いた。
アイデアを出すということ。
ここまで全て没になったアイデアだったが、案②あたりからどれも共通する点が生まれてきたのである。
・「子供時代」を思い出す。
大きくなって子供のころのようにできないことがあり、違和感を感じる。
・「夢」を見る。夢の中で何かが起こる。
・将来が不安。
これらの共通点は、「鏡の森」の原型になったシナリオにも引き継がれた。
また、原型に最初は含まれていなかったことも、作っていくうちにおのずと組み込まれていったのである。
ここで伝えたい事は、幾つものアイデアを出しているうちに、自分たちが本当に言いたいことが自然と現れてきたということである。もしかしたら、当時感じていた自分たちの悩みが幾つものアイデアを考えるうちに、言葉として表層にしみ出してきたのかもしれない。
兎にも角にも、こうして数えきれない程考え出されたアイデア一つ一つが、私たちにとっての道しるべとなったのだ。
インプットと細切れのアイデア
このシナリオ作りの期間中、脚本制作チームのマヤと私は芝居についてそれぞれ勉強をした。
劇に限らず、本を含む数多くの作品から刺激を受け、また物語の構造についても分析をし学んだ。
起承転結と3幕構成
これは私が天下のウィキペディア先生を熟読し、少しでも構成の手助けになればと勉強したものだ。
特に役立ったのは、A,B,C,Dとかそういう構成ではなく、物語の最初のメインキャラクターの説明、物語が動き出すきっかけやセントラルクエスチョン(主人公の達成目標)、それによって引き起こされるターニングポイント、エピソード、など、物語を創作するうえでの重要な要素の存在を知ったことだ。
確かに、言われてみれば当たり前の要素なのだが、こうして体系的に説明されると以降他の作品や自分たちのアイデアを分析するのに役立つ。
(余裕があれば、構成についての記事も出すかもしれない。)
アナリーゼ
物語においての構成について勉強したところで、実際の舞台作品の分析も行った。
30分の構成で「音楽と役者が対等である劇」という条件で私が一番に思い浮かべたのは、東京ディズニーシー「ハンガーステージ」にて当時上演されていた「Out of Shadow Land」という舞台だ。
どの言動が、それぞれ何の要素にあたるのかを考えながら、それぞれ関連するセリフや行動に矢印を引いて情報を体系化していくと、大変精密な構成がはっきりと見えるようになったのだ。
↑「Out of Shadow Land」のアナリーゼ。文学を読み解くのってこうすれば良かったのかと今更ながら思った。
舞台作品以外からの刺激
私が構成について勉強する中、マヤは舞台作品以外の芝居からアイデアを持ってきた。
例えば人形劇だ。
・人形劇から始め、途中からは人形だった役を人が演じる。
・その変化は時間の変化によるもの。(過去の話は人形劇、現在の話は舞台)
・影絵を使う。
時間によって見え方が変わる演出というのは形こそ変えたものの、その後「鏡の森」にも組み込まれた。
このように、様々な形態の作品からアイデアや要素を学び、時には歌の歌詞からイメージを膨らませ取り入れた。
また、音楽と役者を対等にするためのアイデアも考案された。
・感情によって音楽が変わる。
・その音楽は背景ではなく、主人公の心の中から聴こえてくる音楽。
・はじめは鼻歌のように音楽がはじまる。
・心が動いたとき歌が生まれる。
↑当時の話し合いメモ。マヤが絵を使って説明してくれた時のものが残っていた。
アイデアは突然降ってくる。
そう。それは、メンバーで練習室に集まり話し合っていた時に起こった。(メモによると1月15日)
Sさん(仮) | 「いやぁー、アイデアまとまんねぇなぁ」(と言いスマホを見る。) |
Nさん(仮) | 「んだねぇ、、、あーこうやって無駄な時間が過ぎていくんだよなぁ。またスマホ触っちゃったよ。」(スマホを片手に) |
Jさん(仮) | 「わかる。分かっちゃいるのにすぐスマホ見ちゃうよね」(Twitter見ながら) |
Nさん | 「ん?待って?!これじゃない?スマホみて時間を無駄にするってまさにこれこそぴったりのテーマじゃない?」 |
一同 | 「!!!!!!」 |
そこからは早かった。今までのアイデア出しの積み上げもあり、シナリオが書けたのはあっという間だった。すぐに雑談をしてしまったり、スマホを見てしまう最も私たちらしい反省点だったが、それが転じてこう形になるとは今思い返しても面白い。
勿論これは完成版とはかけ離れているし、あくまでもスケッチではあったが、ここから「鏡の森」は始まった。
↑思いつくままに書き上げたスケッチ。角度がもはや45°
シナリオの完成
スケッチが完成してから、幾度となく刷り直しが行われた。細かいエピソードなど盛り込んだり、設定なども少しづつ細やかにしていった。
大体1か月半ほどこの作業をして、やっと原型ができたのである。
↑マヤが書いたシナリオのメモ。歌やセリフの入るタイミングがざっくりとだが書き込まれている。↑マヤのメモを元にさらに細かく書き込んだ私のメモ。2つのメモを元にこの先の作業が進められていく。
大きな流れと大体の設定が決まり、ここから次のステップの「音楽計画」と「音楽制作」が始まる。
正直に言うと、この段階ではこの物語がどんなものであるのか、どのような劇になるのか誰一人想像できていなかった。可能性の振り幅がまだまだ大きく、不確定要素が多い段階だ。完成と言えるほどになったのは劇の発表の間近10月頃だっただろう。
次回詳しく説明をするが、この不明瞭な段階で「この場面では恐らくこんな歌が歌われるであろう」という想定でM05「花」という主人公が初めて歌う曲を、私が書いた。
この曲は歌詞こそ変更があったものの、メロディーはそのまま、またモチーフとしても幾つもの部分が使われる、この劇において中心軸となる曲になった。
↑完成版M05「花」
youtu.be↑M05の初期構想。書いたのは2019年3月25日で、この鏡の森の原型となった曲ともいえる。練習中だからちょっと下手くそ笑
といったところで今回はここまで。
次回はいよいよ音楽制作に入っていく。それでは。
P.S.
Sさん(仮)・・・のところのhtmlが上手く書けず少し見づらくなってしまった。
解決法わかる方は教えてください...
音楽劇の作り方② ~作業工程と役割分担~
ブログ書き2日目。昨日の記事をチームメンバーに見せたら褒められた。嬉しい。褒められれば誰だって嬉しいに決まってる。
↑TravelersのグループLINE 勝手に載せた。
さて今日からは暫くの間、どのような手順で制作していったかを反省とともにまとめていこうと思う。
私の能力不足・経験不足もあり、うまくことが運ばなかったことの方が多いだろうが、赤裸々に書き綴っていこうと思う。
劇制作の大まかな作業工程
先に流れをざっくりとまとめる。
- 大まかなスケジュール作成
- テーマ・伝えたいことの決定
- シナリオ(あらすじ)づくり
- 音楽計画
- 音楽制作/あらすじの仮決定・セリフ決め
- 音楽が完成した箇所の振付け
- 映像作成
- 衣装決め・裏方の動き決め
- 通し稽古
- セットの動かし方・照明案・PA等を決定→Qシート作成
- 本番
実際には項目が前後していたり、同時進行で作成していたりするが、大きな流れとしてはこれで間違いないだろう。
4.の音楽計画は、「この場面で主人公が歌う」「この場面は音楽に合わせて踊る」など1つ1つのシーンに分け、誰が何をし、どのようなイメージなのか?を考えまとめたものである。
また、8.の裏方の動き決めとあるが、ここでの裏方はメインキャスト(=主人公と泉の精)のサポーターとして、劇中にセットを動かしたり、舞台上でメインキャストが外した小物を回収したりする役である。登場人物が2人という構成上裏方が舞台に出る際に振付を伴ったため、「裏方の動き決め」と書き表すことにした。
役割分担
今回はTravelersのメンバーを幾つかの役割分担をし、それぞれ制作に関わった。
大きく分けると3つの動体があった。
・脚本制作チーム
→主な役割は、シナリオを考え文字に起こすこと。また、劇中歌の歌詞を考えること。4人全員が関わっている部分でもあるが、主に担当したのは私とマヤである。(故にこの劇の根底には私とマヤの心の底にある言わば叫びのようなものが含まれている。)演出に関わることもあった。
・作曲チーム
→読んで字のごとく、役割は作曲である。担当は私と城谷さん。共作であるので、2人でピアノに向き合い相談しながら書いていた。ピアノスケッチの段階でオーケストレーションをすることもあれば、オーケストレーションはエレクトーンアレンジする時にすることもあった。(シナリオが変更すると、深い深いため息をついていたのはここだけの話)
・演出・振付・演技チーム
→こちらは演者の2人、マヤとヒナが担当しており、脚本制作チームと重複している部分もあるものの、より細かい設定やセリフなどを考案し実際に演技をした。また振付けや舞台セットは全て彼女たちにより作られ、脚本制作チームが骨組みを作る役割だとしたら、こちらは肉付けの役割といえるだろう。
作業工程① 大まかなスケジュール作成
この劇の企画は2018年12月から始まったが、最初のミーティングで細かなことを話し合う前に、大まかなスケジュールを先に確認した。
私たちは学生であり、それぞれ学業が忙しく外部で活躍する人も少なくないため、翌年11月の芸祭に間に合わないことを危惧し、先にスケジュール作成をした。
反省点
この工程には、それぞれの考え方の相違があったため、結果的に全くこのスケジュール通りには進まなかった。
理由としては、
- 男子2人(私と城谷さん)は翌年1年の大体の予定が見えていたのに対し、女子2人(マヤとヒナ)はその月にならないとスケジュールが確定しないこと。
- 個人のスケジュールの優先度の違い。
- 制作における先行工程の認識の違い。「音楽制作→セリフ・振付け」or「セリフ・振付け→音楽制作」
などが挙げられる。
正直全て予想だにしておらず、私も舞台作品に関わるのは初めてだったのもあり、認識を新たにすることが多かった。
特に、作曲チームが音楽を先に作りセリフや振りを考えるという認識を持っておらず、初期段階ではセリフ等が出来上がるのを待っていたのも遅延の理由の一つだろう。
しかしながら、このスケジュールが基準となり遅れているという判断が容易にできたため、意味がなかったということはない。寧ろ、進まなくても最初に設定しておいて正解だったと、今になって思う。
スケジュールと実際の進捗
↑話し合いで最初に決めたスケジュール
実際は、、
「ストーリーの大枠を固める」・・・18年12月まで→19年4~5月
「台本と作曲をあらかた完成させる」・・・19年4月まで→19年7~8月
「大詰め」・・・8月ごろ→10月
(お恥ずかしながら先述した遅延理由以外にも作曲が上手く進まなかったのもある。)
作業工程② テーマ・伝えたいことの決定
この工程は結果的に劇の軸を作るのに大変役立った。実際どのようなことを話したか挙げていく。
この工程は2018年12月から翌年19年1月ごろにかけて行われた。
コンセプト
- 音楽はクラシックを主眼に作曲。
- ストーリーが存在する舞台。
- 観客に伝わるように表現する。
- 演劇・踊り・音響・映像・音楽など、色々な要素を組み合わせ空間を作る。
- 役者と奏者が対等な関係を持つ舞台芸術を創作する。
- エレクトーンの知られざる可能性の探求。
- エレクトーンを使った新たな音楽の形の探求。
(第2・3項目の「ストーリーが存在する舞台」というのは、今日のコンテンポラリーな舞台作品にはストーリーのような軸が存在しないものもあるため、このような決定がなされた。)
この決定は劇を創作していく上での目標であり、言い換えれば、自分たちが挑戦をしたかったことだ。このコンセプトを基に台本の基盤が作られた。
テーマ・伝えたい事
これについても沢山の意見が出たが、まず初めに決まったのは、「20歳の自分達に伝えたいこと」というテーマだ。これは創作開始時から今まで1度も変わることなく、貫き通している。
これは「1度しかない20歳の年に、今しかできない表現で、私たちにしかできない劇を作ろう」という願望からできたテーマだ。
私はマヤの過去の経験は殆ど知らないが、恐らく彼女にとっても私にとっても、今まで生きてきた20年間で、痛感していた教訓なのではなかろうか?
その後、伝えたいことって何だろう?と、いくつかアイデアが出た。
- 愛とは?
- 日常の幸せさ
- 戦争
- 純粋さ(不純さとの対比)
このうち、一瞬で消されたのは「愛とは?」と「戦争」だった。理由は当時のメモを見れば一目瞭然だ。
「愛とは?」・・・危険なにおいが....経験ナインゴ
「戦争」・・・戦争経験してないからうわべになりそう
よって、「日常の幸せさ」と「純粋さ」を主軸にストーリを考案していくことになる。
反省点
この工程においては良かった点が9.9割を占める。
- それぞれが思っていること、挑戦したいことをお互いにぶちまけられた。
- お互いの事を知るきっかけにもなった。
- 軸がはっきりしたことで、今後の作業ーセリフや歌詞づくりにまで影響し、うまい具合に進めることが出来た。
また、私のスタイルとして、話し合いの最中に机の中央に1枚白紙のメモを用意して、思ったことは全て書けるようにするというものがある。
半分落書きになるのだが、そこからヒントを得られることも少なくなく、これは是非お勧めしていきたい。
↑当時の話し合いの時に使われたメモ(五線紙)訳の分からない和声記号や漢字も書かれている。
残り0.1割の悪かった点だが、すぐに雑談をしてしまった点にある。これはもはや心の持ちようであるので、進め方の反省に入るのかどうかさえ分からない。
そして、この悪い癖がストーリー作りの決め手になるとはこの時誰も予想できなかったのだ...
しっかり伏線を張ったところで、今回はここまで。
次回は、台本作り(伏線回収)から始めようと思う。
音楽劇の作り方① ~自己紹介と創作テーマ~
昨年11月に開催された国立音楽大学 芸術祭にて私はTravelersというチームを結成し、台本も音楽もオリジナルの音楽劇「鏡の森」を上演した。
これは私の入学当時からの夢であったと共に、エレクトーンのこれからを考えるという目標の1つの第一歩になった。
今回、コロナの影響で3月の予定が無に帰したこともありどのように制作していったか、毎日少しづつ反省点と共にまとめていこうと思う。
チームメンバー
制作について触れる前に、今回この大がかりなプロジェクトに参加してくれた方々を紹介する。
・永田茉彩【声楽】(以下マヤ)
この人語らずにどうしてこの「鏡の森」を語ろう、という存在。
1年前期、編曲法という同じ授業を取っていたことをきっかけに、7月ごろに「ピアノって得意なんですか?」とDMを貰ったのが全ての始まりだろう。恐ろしいほどのアンテナの持ち主だ。何か面白いことをしたいという気持ちが重なり、劇を作ろうという話になった。そう劇制作への原点はここである。
様々な舞台経験を持ち、夢を掴もうとする力はメンバーの中でも随一だ。
今回の劇制作においては、台本・歌詞・振りの殆どを考えてくれた中心人物であり、たくさん悩み人一倍努力する彼女が綴る台詞には、人の心を動かす力が籠っているように思う。
・城谷伶【作曲】(以下城谷さん)
劇を制作するにあたり、私の作曲能力では間に合わないだろうと思い話をしたところ、快く参加してくれた、我がチームの作曲担当だ。
作曲専修の中でも特に勉強家であり、日常会話においても知らない作曲家や曲の名前をポンポンと出してくる。準備運動と称しチャイ4の4楽章をピアノで弾き始めた時は「準備運動とは?」と驚いたものだ。また、彼は筋金入りのディズニー好きでショーの音楽を30分間ピアノで弾き続けるなどの変態であるが、その力は劇の制作に於いて大変に活躍しただろう。
柔軟な思考と客観的な意見に幾度となく助けられ、いわばTravelersの大黒柱的存在だろう。
・豊岡陽菜【声楽】(以下ヒナ)
彼女は劇の制作が始まってしばらくしてからの5月ごろに、この無謀とも思えた劇の制作に参加してくれた。
劇における登場人物が2人であることが決まっていたため、主人公役のマヤと対局的な特徴を持つ彼女は適任だったと言えよう。ソプラノで高音の音のハリが素晴らしくほぼ即決だった。
役作りが得意で、あまり細かく決まっていなかった「泉の精」役を鮮やかに演じ、また指摘の鋭さもまた特徴で、練習中も「ここは違くない?」とズバズバと指摘していく素直さと力強さはTravelersにも劇そのものにも大きな影響を与えただろう。
・佐藤匠【電子オルガン】
自分のことを長々と書くのは気が引けるので簡潔に。
劇の制作ではリーダーを担当し、また作曲・台本等に直接関わり、レジストレーション(エレクトーンにおいてのオーケストレーション)と演奏を主に担当した。
それぞれのセクションとの繋ぎ役の仕事が多く、板挟みは中々ハードであったが、今までの経験を生かせたのでは...と個人的には考えている。
・引地颯【日本工学院八王子専門学校 CG映像科】(以下ソウ)
彼は高校時代の友達であったが、まだ劇の制作が始まる前ー1年の9月ごろから「何かコラボしたい」と話していた。
彼もまたやりたいことが明確な人で、この劇のためにもたくさんの勉強をしてくれた。
忙しい中、我々の活動に関わってくれて本当に感謝である。
↑会議にて録画を見ながら意見を言い合う様子。 あーだこーだ言いながら少しづつ形にしていくのはこの上なく楽しい。
劇の制作への契機
マヤと私で「何か面白いことをしたい」と始まったこの計画。
エレクトーンを使うということで私から提案したのは、
・役者と演奏者が対等な関係でいられる劇の創作
であった。
ミュージカルにおいて、どうしても演技・歌>背景音楽になってしまう傾向があり、(無論その形式の方が舞台として完成されているからであるが。)演奏者としては少し悲しい部分であった。
また、ただBGMであるのなら、エレクトーンで生演奏する意味はないのである。エレクトーンはどうしても生演奏には勝てない。それがオーケストラであってもバンドであっても。そこでエレクトーンの強みを考えた時、やはり最初に出てくる最強の武器は「一人で大人数の合奏を再現できること」なのだ。
以前、2018年12月に国立音楽大学の学長でもあるクラリネット奏者の武田忠善先生と、講師の渡辺睦樹先生の演奏会がヤマハホールにて行われた。
Mozartのクラリネット協奏曲、Debussyの
その演奏会の大きな魅力は、聴こえてくる音楽は大人数の合奏であるはずなのに、実際の演奏は室内楽・・・1対1のアンサンブル、という点だ。この形態でしか不可能な密接で濃厚な演奏ができるのである。
これはエレクトーンにおいて、大きな魅力であると思った。
↑ヤマハの主催のこの演奏会は、一部分であるが視聴可能である。
話を劇の創作に戻すと、あらゆる場面での演奏者と役者間でのアンサンブル、或いは即興的要素が発生しても実現できるものを作る、ということこそエレクトーンならではの魅力なを最大限引き出せる方法なのでは?という問題提起から、ある意味実験的に創作が始まった。
というところで今回はここまで。
次回は制作の道順と、1つ1つの工程の反省を行おうと思う。
芸術祭~今年最大の挑戦!
大昔に書いた闇ブログ(?)を全て消して、自分の挑戦してることとかその云々を書くために久々にハテナブログを開きました。
国立音楽大学 芸術祭
今年もこの時期がやってきた。
今年は自分史上かなり大きなことにチャレンジしました。
昨年12月から始まった企画です。
音楽劇「鏡の森」
Presented by Travelers
脚本から音楽まで全て0からの創作です。
役者2人とエレクトーン、そして照明と映像を駆使して「20歳の自分たちに伝えること」というテーマで上演します。
制作裏話や僕自身の目標・課題はまた追って文字にしようと思っています。
ノウハウも経験もない状態からこの企画ですが、頼りになるのは自分たちが今まで生きてきて学んだ全てと、感性。
ここまでには沢山の学びと多くの苦労がありました。
折角音大にいるので、是非色んな人と意見交換をしたいと思っています。
そして電子オルガンを学ぶ者として、まだ見ぬ魅力を引き出すための第一歩になればと思っています。
「鏡の森」
日時: 2019年11月4日 18:00開場 18:10開演 (予定上演時間:30分)
場所: 国立音楽大学6号館 110スタジオ
演技:永田茉彩・豊岡陽菜(声楽専修2年)
音楽:城谷伶(作曲専修2年)・佐藤匠
映像制作:引地颯・鈴木健生(日本工学院八王子専門学校CG映像科2年)
脚本・演出:Travelers(佐藤匠・永田茉彩・城谷伶・豊岡陽菜)